読書の話
ピクチャーインピクチャーという機能をご存じでしょうか。PCやスマホの画面の隅に、ちいさな画面をもうひとつ表示させて、そこで動画を見ることができるという機能です。つい最近、その機能を知ったのですが、おかげでネトフリやプライムを作業の片手間に見ることが出来るようになり、生活に彩りが増えました。マイクラやお絵かきや、手を動かし続けなければいけないけれど頭はあまり動かさない作業中に見たいと思っていたのですが、他画面で開くことによる視線の移動は集中力の妨げになり、どうにか両立できないかと悩んでいたので、ピクチャーインピクチャーで常に視界の端にいれられるようになったのは便利なものです。腰を据えて見るほどではないが往年気になっていたアニメを一気見する良い機会、ということで色々見てます。前はひぐらしのなく頃にを見て、いまはコードギアスを見ています。いい時代ですね。
さて、娯楽が多種多様存在し、日々新しいものが生まれていく最中、読書というのは古来からある娯楽のひとつでございます。読書体験というのは万人にとって異なるものでしょうが、私にとっては一日三食の食事と同じようなもので、身近であり、人生にかかせない存在です。毎日何かしらは読んでいるわけなのですが、読んだ本というのは記憶のプールのそこに沈み、すべてをすべて明確に思い出す訳ではありません。印象の差というのももちろんですが、わたしの記憶力がメチャクチャ悪いということもあります。
あらゆる体験は記憶のプールの中に蓄積されていくのですが、それは常に渾然とし、求められる場ですぐさますくい上げられるものではありません。おすすめを聞かれることなどよくありますが、その日の天気、気温、機嫌、社会情勢、対面しているあなたの思考、ありとあらゆる要因によってそのときもっとも自身が欲している本は変わるのです。で、読んだ本が多く記憶力も滓なわたしは、欲している筈の本の名前が出てこなかったり、いつかどこかで覚えた感動を忘れてしまうのです。
それならば必要なのは記録でして、しかしわたしは記録も苦手です。記録が苦手というのは本当にやっかいなもので、日記も三日以上続いた経験はありません。Twitterは流れてしまうという点では記録媒体としては適切ではないのですが、おおよそTwitter以外に続いているものもない。なので今年の目標はきちんと読んだ本を記録すること、にしようと思っています。
おおよそ十年前から読書メーターに登録はしているのですが、あいだ五年くらいは記録をつけていなかったり、学生時代に読んだ本の感想が稚拙だったりして恥ずかしく、しかしそんな理由で記録をつけないのももったいないので最近は読んだら逐一記録しています。あ、昨日読んだ本記録してない。記録します 恥。
感想は気が向いたり書きたいことあれば書いたりしてます。昔は全部書かなきゃ!て思ってましたがそうやって気負うから何もかもが長続きしない……
あと、最近は図書館に行ったり何かで入手した本の写真を撮影するようにしています。そうすれば記録漏れが起こったとしても、「この時期にこんな本を手に取ろうとしたんだな」ということがわかりますので。便利な時代だな〜♪
(去年末図書館で借りた本)
本を誰かに紹介したり、薦めたりすることは大好きです。けれどもTwitterでわたしが一方的に「これおすすめ!」と発言する際に発生する、不特定多数への紹介の不安や、見知らぬ人に薦めることは無責任を誘発するのではないか、というためらいから、おすすめを聞かれても答えられないことは多いです。わたしが好きなのは、ひとつの事物から、あるいは感情から想起し、連想ゲームのように積み上げて到達する物語を手にする瞬間のこと。一対一や、少人数の対話によってカテゴライズの中の物語を探し回ること。だから一番好きなのは、本屋や図書館へ一緒に行くことです。ならぶ背表紙を指でなぞりながら歩く瞬間が、もっとも本から本へ、思い出のプールをかき混ぜて落とし物を見つける作業に近いのですから。amazonや電子書籍、諸々の要因で、本屋は日々失われて行っていますが、あの、無限とも思えるほどに並ぶ背表紙の空間は、けっして失われてはならないものだと思っています。本当は、場所の許す限り、わたしは物質の書物を積み上げ続けていたいのです。自室には本棚に入りきらない本があふれかえっていますが、それでも。
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